ニュース

                                                                                            Update:2023.12.4

 

 

       小菅村:登山道管理・活用に関する勉強会の報告

 

 

 2023.11.23.山梨県小菅村において、「登山道を村の宝に。その方法とは?~小菅村民有林を対象として~」のタイトルで、勉強会が開催されました。森林内にある登山道は、森林にアクセスするための重要なインフラであり、道があることで、森林の管理や活用が容易になる。しかし、その管理や整備は様々な障害により阻害されており、管理主体が不明確な状況が全国的に定常化している。

 

 大野航輔氏が代表を務める株式会社リトル・トリ―は、小菅村において森林資源の付加価値化に取り組んでおり、登山道資源と捉え、森林整備、遭難・事後防止、観光・教育資源化などの視点から、登山道の維持管理手法・多目的活用の可能性について、学習・情報交換会を行なうための勉強会を開催したところです。

 登山道法研究会会長上幸雄から「登山道管理の現状と課題」、山はみんなの宝クラブ副代表森孝順から「山域の資源保護と利用」について報告が行われ、参加者との意見交換も行われました。

(記録:森 孝順)

  

                       Update:2023.7.5

 

「これでいいのか登山道 第2集」

めざそう、みんなの「山の道」報告書のご案内

 

前回、2021年8月の「山の日」にあわせて、「これでいいのか登山道 第1集」の報告書を作成した折には、全国各地から賛同のご意見をいただくとともに、マスコミの取材や関係団体等から紹介記事の依頼が多数あり、登山道の抱える現状と課題が、想定を超えて拡散していきました。その後、山と渓谷社が「ヤマケイ新書」として同じタイトルで刊行したことも、登山道問題への関心の高さを反映したものと認識しています。

 

この度、第1集に関心を寄せていただいた方々を中心に、現場で登山道整備に尽力している状況、登山道の望ましい管理のあり方、登山道法制定への期待などについて寄稿をお願いし、「私たちにできることは何か」を副題に、第2集の報告書を作成しました。

 

 

「日本の山は誰が整備し、誰が管理しているのか」、この疑問から登山道法構想はスタートしました。今回、第2集への各分野からの多種多様なご寄稿により、登山道の維持管理が一筋縄ではいかない、複雑な状況下に置かれていることが、より鮮明に浮かび上がってきました。それらを踏まえて、これから取るべき方策についても、具体的な提言を掲載することができました。

(記録:森 孝順)

 

〇制作:登山道法研究会

〇執筆者:71人

〇体裁:A4版・オールカラー・160ページ 

 

                                  Update:2022.8.19

 

           情報交換会 「登山道法制定に関連して」の報告

 

 2022年8月19日、新橋の港区生涯学習センターにおいて、「登山道法の制定に関連して」のタイトルで、登山道法研究会の主催で情報交換会が開催された。元環境省自然環境局長の小林 光さんから、主に法律の制定の観点から、法律の目的、定義、理念、責務、実態調査、整備計画方針、協働型管理運営体制の整備などについて、幅広く具体的に登山道法の抱える課題について説明がありました。

 主な論点として、次のような指摘がありました。

①法律の性格として、基本法と個別法の2種類があり、「山岳振興基本法」(仮称)の枠組みで、自   然環境の保全と山岳地域の振興を定め、登山道の整備について言及する方法があること

②国民の理解と協力が必要、世論のバックアップが重要であること、この法律の必要性について、普及啓発をすること

③法律の制定のメリットを明確にし、全体の要約版を作成すること、環境省などの関係省庁と協調して、一緒に動くことが大切

④「登山道」の定義については、大きな枠組みで考え、例えば国、地方自治体により路線認定された道とする方法もあること

⑤登山道整備の予算については、国や地方自治体だけではなく、利用する側の責任もあること

⑥整備者の管理責任もあるが、登山道を利用する側の自己責任もあること

⑦地域・山域ごとに、関係者で協議会を作り、それに国が支援する方式が考えられること

 

 「種の保存法」などの制定に関与してきた体験談など、制定に至る様々な背景の説明があり、とても有意義かつ興味深い情報交換会となりました。(記録:森 孝順)

                                   Update:2022.6.19

 

       講演会 蕨市山岳連盟「山岳保全と自然保護を考える集い」の報告

 

2022.6.11、蕨市中央公民館にて、森 孝順講師により「いま、山で何が起きているのかー山を歩いて気づいたこと」のタイトルで、講演会が開催された。1月に開催を予定していたが、新型コロナの影響で延期されていたものです。

登山道法の問題を中心に、遭難者の増加、自己責任、受益者負担、野生動物の増加など山域で発生している様々な課題について情報提供を行った。特に、今後に予想される問題として、外国人登山者の受入れ、外来種対策の対応、し尿の持ち帰り運動などについて解説が行われた。

 

 

                                                                                                        Update:2022.6.17

 

講演会 東京都山岳連盟自然保護委員会「登山道は誰が整備し、誰が管理しているのか」の報告

 

2022.1.29、都岳連の事務所において、ZOOMにより公開講演会が開催された。2021年度の自然保護指導員研修会として、登山道法研究会の森 孝順講師により実施されたものです。

新型コロナの影響で顕在化した登山道問題を中心に、登山道法制定への課題として、登山道法の目指すもの、登山道法の目的、登山道法の必要性、登山道法研究会の活動などについて、情報提供と意見交換が行われた。

研修会配布資料
登山道法構想の背景説明
都岳連自然保護指導員研修会20220129資料1.pdf
PDFファイル 1.6 MB

                                                                                                        Update:2022.6.18

 

        ヤマケイ新書「これでいいのか登山道 現状と課題」の出版

 

登山道法研究会の報告書の要約版として、山と渓谷社から同じタイトルで出版されました。内容をコンパクトに整理し、論点が分かりやすく整理されています。新型コロナの影響で、民間の山小屋に依存してきた登山道の維持管理の問題が、北アルプス南部の山岳地で顕在化することになった。登山道が抱えるさまざまな問題に、登山道を利用する側と登山道を整備する側の双方から関心が高まり、よりよい登山道を目指して議論が深まると思います。  

 

          Update:2021.7.19

 

「これでいいのか登山道」報告書のご案内

 

 普段、登山者が山に登りながら、誰が登山道を整備し、誰が維持管理しているのか、意識することなく利用しています。国や地方自治体で整備された登山道は少なく、多くの登山道は管理者が曖昧のままで、山小屋関係者の自助努力や山岳団体などのボランティア活動により維持されているのが現状です。

 今回、登山道の現状と課題を明らかにする目的で、「これでいいのか登山道」の報告書を作成しました。事例写真を多数掲載し、各方面から検討を加えたものです。

 

〇発行所 登山道法研究会

〇体裁:A4版オールカラー 154ページ  

 

                                   Update:2021.7.18

       講演会 埼玉県山岳・スポーツクライミング協会自然保護委員会

               令和3年度研修会・公開講演会の報告

 

 令和3年6月27日(日)午後、北浦和ターミナルビル3階、カルタスホールにて、山はみんなの宝クラブ副代表の森孝順氏による講演会が開催されました。「いま、山で何が起きているか」のタイトルで、登山道の現状、シカの食害、入山者のルールとマナー、森林の荒廃などについて、幅広く現在の山が抱えている課題について、問題提起が行われました。

(記録:森 孝順)

 

 

 

                            Update:2019.1.29

 

       第9回 自然保護指導員研修会・公開講座の参加報告

 

 平成31年1月27日(日)、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、(公社)東京都山岳連盟主管、(公社)日本山岳・スポーツクライミング協会主催による、自然保護指導員を対象とした研修会と講演会が開催されました。

 この研修会は、既に自然保護指導員として活躍している方、これから自然保護指導員を志す方に向けて、指導員としての在り方や自然への一層の理解をために毎年開催しています。また、茨城県、栃木県、東京都、神奈川県、埼玉県の各山岳連盟から自然保護活動報告がありました。

 基調講演は、環境省環境統計分析官(国立公園課併任)の徳丸久衛氏より、「登山道は奇跡の道」のタイトルで、日本の登山道の状況とあり方、登山の効用と計画的かつ積極的な登山道等整備の必要性、海外の事例などの説明があり、これからのあらたな展開として「登山道法」の制定を目指すべきとの提言がありました。

 「登山道法」の制定には、登山家、山岳団体、山小屋の経営者、登山に関わる観光事業者など広範な関係者の支援が必要であり、さらに国民全体の理解を深めることが重要であると思いました。

(記録:森 孝順)

 

 

 

                           

                            Update:2018.12.8

 

エコプロ2018で携帯トイレの普及啓発活動

ーHAT-Jの取り組みの紹介ー

 

 山岳団体の一つである、NPO法人日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト(HAT-J)は、12月6日~8日の3日間にわたり、東京ビックサイトで開催される展示会に出展しています。

 今回の出展内容は、各支部の活動、小学生向けの山の環境クイズなどのHAT-Jの活動内容を紹介していますが、特に、山岳地における携帯トイレの普及啓発に重点をおいて展示をしているのが大きな特徴です。

 携帯トイレの普及には、ブースや回収ボックスなどの設置・維持管理に行政の支援が必要でありますが、登山者側が自ら進んで協力する環境づくりも大切です。携帯トイレの利用は、既に利尻岳や屋久島など全国の山岳地に普及していますが、今年の夏から、「大雪山国立公園携帯トイレ普及宣言」が行われ、広域の山岳地においても、携帯トイレの利用促進が大きな話題となっています。HAT-Jは、携帯トイレの普及に協力してくれる人の輪を広げる活動をしています。

(記録:森 孝順)

 

 

   

 

 

                                                                              Update:2018.11.26

 

講演会「いま、山で何がおきているのか」の報告

 

 2018.11.22.午後5時から、東京環境工科専門学校主催にて、山はみんなの宝クラブ副代表森孝順氏から、「いま、山で何が起きているかー保護と利用に関する課題ー」をテーマに講演が行われました。

 2018年、「TCE環境セミナー 自然保護の最前線から」の第5回目の講演会であり、幅広く日本の山が抱えている課題についてのお話でした。携帯トイレの普及啓発、散乱ゴミ問題の成果、野生動物の被害、森林の荒廃などについて問題提起がされました。

 また、「山はみんなの宝」憲章の成立の過程、経緯などが説明されました。

(記録:森 孝順)

 

   

 

                                   Update:2018.9.30

 

          講演会「登山道法構想について」の報告

 

 2018.9.28、午後3時、新橋の港区生涯学習センターの会議室にて、環境省自然環境局職員である徳丸久衛様から、「登山道構想について」講演を頂きました。日本における登山の状況とあり方、登山の効用と計画的かつ積極的な登山道整備の必要性、あらたな展開としての登山道法の制定などについて、とても示唆に富むお話を頂きました。

 現在、日本の登山道については、その整備主体、管理責任が明確でないため、登山者の安全・快適な利用を妨げていることを踏まえ、登山道法に制定により、計画的、積極的に登山道及び付帯施設(標識、案内板、避難小屋、トイレ、野営場など)の整備を行なう提案です。

 登山道の整備については、予算の制約、マンパワーの不足などから、国立公園を管理する環境省においても充分な対応ができない状況下にあり、都道府県、市町村の協力のもとに維持管理している状況にあります。今後、適正な整備・管理について、さらに議論を深める必要がありそうです。

 特に、日常の維持管理については、行政だけではなく、登山者側も受益者として、ボランティア活動などの労力の負担も考えられます。

(記録:森 孝順)

 

             

                           

                            Update:2018.8.13

 

「大雪山国立公園携帯トイレ普及宣言」が採択されました

 

 2018.7.10、北海道上川町において宣言の発会式が行われ、携帯トイレの普及宣言が正式に採択され、携帯トイレの普及啓発のためのシンボルマークやチラシが作成されました。

 大雪山での深刻なトイレ問題に対応するために、登山者へ次のような要請が出されました。

○大雪山国立公園では、携帯トイレを常に持参しましょう。

○携帯トイレは常設トイレがない箇所で使用しましょう。

○美瑛富士やトムラウシ南沼では、し尿散乱が大きな問題となっています。

 避難小屋や野営指定地、水源地では、携帯トイレを必ず使用し、

 野外にし尿を排出しないようにしましょう。

○登山道の途中など、問題となっていない場所でも、

 携帯トイレを使用し、し尿を持ち帰るように努めましょう。

  また、携帯トイレの販売など、普及啓発に協力する企業や団体等をパートナーとして登録する制度ができました。詳しくは事務局である大雪山国立公園連絡協議会のHPをご確認下さい。

(記録:森 孝順) 

 

 

 

                             Update:2018.5.29

 

「大雪山国立公園携帯トイレ普及宣言」の説明会

(山岳団体自然環境連絡会主催)

 

 2018年5月28日(月)、18:30~21:00、日本勤労者山岳連盟事務所で開催された山岳団体自然環境連絡会において、「大雪山国立公園携帯トイレ普及宣言」について、環境省北海道地方環境事務所、大雪山国立公園上士幌自然保護官事務所、原澤翔太レンジャーから大雪山国立公園のトイレの現状、携帯トイレ導入の必要性、普及宣言の内容、登山者への協力の呼びかけなど、具体的な取り組みについて、ご説明を受けました。この宣言について、各団体の自然保護委員から様々な意見が出され、有意義な意見交換が行われました。

 今後、シンボルマークの公募、パートナーシップ事業の展開など、携帯トイレの普及啓発を進める方針である。詳しくは、大雪山国立公園のホームページを参照願います。

 なお、「山はみんなの宝クラブ」としても、今回の宣言の趣旨に賛同し、積極的に協力していくことを、下記の書面にて表明しました。(記録:森 孝順)

 

 

「大雪山国立公園携帯トイレ普及宣言」について

 

  この度、山岳地での携帯トイレの普及に関して、画期的な宣言が大雪山地域で発表されました。従来、携帯トイレの利用は、利尻岳、早池峰山などの単独峰で先駆的に導入されていますが、今回、広大な山域の大雪山国立公園で、行政、山岳団体関係者などが、共同して取り組むことを宣言しました。

 これを契機に、全国の山岳地で携帯トイレの利用が促進されることを期待して、以前から山のトイレ問題に取り組んできた「山はみんなの宝クラブ」としても、宣言の趣旨に賛同し、積極的に協力していくことを表明します。

 

 山岳地のトイレは、水、電気、搬出路がなく、適切な維持管理の困難な場所が多い。特に、避難小屋や野営場を中心に、し尿の散乱による汚染や高山植物の踏み荒らしにより、自然環境への影響も発生しています。

 携帯トイレの普及には、行政の取り組みとともに、登山者側が意識を変えることが求められています。登山者と行政が協働して、携帯トイレの普及啓発に取り組むことが、山岳地の自然環境を守ることに繋がります。

 日頃、山の恵みを享受する登山者側が先ずできることは、携帯トイレを持参する登山者を増やすことです。また、行政側には、トイレブースや回収ボックスの設置など、登山者が安心・快適に利用できる環境を整えることを要望いたします。

 

 1970年代初めに、尾瀬、上高地、大雪山などで始まった「ゴミの持ち帰り運動」は、全国の山岳地や行楽地に拡大して、現在、利用者側に当たり前のマナーとして浸透し、散乱ゴミを激減させる大きな成果をもたらしました。

 今回の大雪山国立公園における携帯トイレ普及宣言が、様々な困難を乗り越え、「し尿の持ち帰り運動」として、全国の山岳地に拡大・定着していくことを期待しています。

 

平成30年5月28日

                                  山はみんなの宝クラブ

                                  共同代表  上 幸雄

                                           小澤紀美子 

  

 

 

 

  Update:2018.5.26

   

 

三条の湯・雲取山の調査山行

(山はみんなの宝クラブ主催)

 

 2018年5月24日~25日、山笑う候、山宝会員など8名が参加し、雨上がりの好天に恵まれて、多摩川上流の山小屋「三条の湯」に泊まりました。翌日、雲取山(標高2017m)に登り、奥多摩小屋経由で鴨沢まで歩きました。

 今回の山行の目的の一つは、環境に配慮した三条の湯の自己処理型のトイレと、小水力発電の利用状況を視察することと、ハンターである山小屋のご主人から、シカの食害と捕獲の話などもお聞きすることでした。トイレは都民の水源である多摩川源流を汚染しないように、微生物を含む処理水を循環利用していました。また、沢水を利用して、600ワットの電力を発電し、山小屋の照明や冷蔵庫に活用しています。最近は、山小屋周辺部のシカの増加も抑えられているとのことです。

 雲取山から七ツ石山に向かう途中に、築約60年の奥多摩小屋があり、老朽化により閉鎖、取り壊すことについて、登山者間での議論となっています。来年3月末で山小屋が閉鎖されるとの張り紙が、所有者である奥多摩町名で入り口に掲示されていました。山小屋前の広場からは、カラマツ林越えに富士山がそびえ、付帯するキャンプ場は利用者が増加しているそうです。

 山小屋の閉鎖後の跡地の取り扱いについては、今後、関係機関で協議をして決めるとのことです。素晴らしい景観を楽しめるキャンプ場だけでも、存続を希望する登山者も多い。付帯するトイレの維持管理などに、日頃、山の恩恵を享受している登山者側も受益者として協力し、行政と協働して管理していくことも考えられます。

 「ゴミの持ち帰り運動」は、当たり前のマナーとして定着しましたが、これからは「し尿の持ち帰り運動」に、様々な困難を乗り越えて、登山者が自ら取り組む時代の到来となるでしょう。

 久し振りに訪れた雲取山で、ハシリドコロ、フタリシズカ、アセビ、マルバダケブキなどのシカが食べない、嫌いな植物群落が眼につきました。三条ダルミの登山道には、シカが2頭現れ、人を恐れることなく植物を食べていました。秩父山塊のササなどの下層植生はシカに食べつくされて、異様なほど明るく見通しの良い林床となっています。ここ30年位で、シカの個体数の増加により、全国の山域で、森林生態系は大きく変貌しています。

(記録:森 孝順)

 

 

 

 

Update:2018.5.16

 

丹沢山周辺の「山の神」調査

(山はみんなの宝クラブ主催)

 

 2018年4月28日(土)、山宝会員9名が集まり、丹沢山周辺の「山の神」ならびに神社等を訪れました。会員の紅葉さんのガイドで、日向薬師(伊勢原市)、松田町神山、諸戸林業(秦野市)、丹沢札掛、七沢森林公園などを見て回り、「山の神」の由来など興味深い説明をいただきました。

 「山の神」は、旧くは狩猟、伐採、炭焼、農耕など山民や農民が山を信仰対象とし、山を敬い、山や田の仕事の守護や豊穣を願った習慣が起源で、現在では主に林業でその習慣(信仰)が引き継がれているとのことです。「山の神」は女神であり、やかましい妻の呼称の由来とされますが、山への敬虔な気持ちを持ち続けたいものです。

(記録:森田)

 

 

                                                   Update:2018.3.27

 

埼玉県美里町のカタクリ生育地の調査

(山はみんなの宝クラブ主催)

 

 2018年3月27日(火)、秩父鉄道の波久礼駅に集合して、地元山岳会のガイドで、カタクリの生育地を調査してきました。かんぽの宿寄居の脇を通り、明るい尾根伝いに虎ヶ岡城址(標高337m)に向かう途中に、カタクリの自生地との標識があり、雑木林の斜面を下ると、見事なカタクリの群落が見られます。最近、美里町により指導標や案内板が整備され、カタクリの季節には沢山のハイカーが訪れています。

 カタクリの群落は年々拡大しつつあるようですが、見学に訪れる人が増加するにつれて、今後、踏み荒らしなどを防ぐ対策も必要になってきそうです。

 カタクリは、花が咲くまで7年以上かかり、種はアリにより運ばれて分散するため、群落の拡大には年月がかかります。春一番に咲く山の妖精カタクリが、自然の恵みを受ける我々登山者も末永く楽しめるように、大切に保護したいものです。

(記録:森 孝順)

 

  

                                                                                 

                                                                                     UPdate:2018.3.26

 

世界文化遺産富士山の現状報告

(山はみんなの宝クラブ主催)

 

 2018年3月23日(金)、午後3時から新橋の生涯学習センターにおいて、NPO法人富士山クラブの青木直子事務局長を招いて、富士山クラブの活動についてお話を頂きました。

 富士山クラブは、今年で設立20周年を迎え、山梨県、静岡県の両県にスタッフを置いて、富士山の文化と自然を守る活動を実践しています。

 特に、山小屋のトイレの改善、山麓の不法投棄、過剰利用への対応など、ボランティアを活用して取り組んでいます。登山の初心者が多く、5人に1人が外国人の入山者であり、夜間の団体登山も多く、富士山を取り巻く様々な問題に、国、県、市町村、関係団体と協働して活動している状況を報告して頂きました。(記録:森 孝順)

 

 

 

Update:2018.3.15

 

第2回山岳自然環境セミナーの開催報告

続・「山の自然が崩壊する、深刻化する二ホンジカの被害」

 

 2018年3月11日(日)、午前10時30分から午後5時にかけて、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、山岳団体自然環境連絡会主催によるニホンジカの被害に関するセミナーが開催されました。(山はみんなの宝クラブは、山岳団体自然環境連絡会の幹事となっています)

 当セミナーは、昨年に引き続き、新たな講師をお迎えして、ヨーロッパにおける狩猟管理、我が国に狩猟者育成の取り組み、シカの生態と目撃情報の収集、霧降高原のシカ対策の報告などを紹介し、山岳地におけるシカ問題の緊急性をアピールするとともに、被害対策の促進をはかることを目的として、2回目を開催したところです。

 基調講演では、野島利彰駒澤大学名誉教授から、欧州における狩猟制度と文化について、とても興味深い報告がありました。

 また、森林総合研究所の岡輝樹講師からはスマホを活用したシカの目撃情報の収集の紹介、自然公園財団の瀬戸静恵講師からは霧降高原における植生保護対策、大日本猟友会専務理事浅野能昭講師からは狩猟者育成の取り組みについて、それぞれとても参考になる報告がありました。パネルディスカッションでは、花村哲也勤労者山岳連盟会員がモデレーターを務め、参加者からの質問を交えて熱心な討議が行われました。(記録:森 孝順)

 

 

 

 

Update:2018.1.12

 

 

第2回山岳自然環境セミナーの開催案内

続・「山の自然が崩壊する、深刻化する二ホンジカの被害」

 

 2018年3月11日(日)、午前10時30分(受付開始10時)から午後4時35分にかけて、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、山岳団体自然環境連絡会主催によるニホンジカの被害に関するセミナーが開催されます。(山はみんなの宝クラブは、山岳団体自然環境連絡会の幹事となっています)

 当セミナーは、昨年に引き続き、新たな講師をお迎えして、ヨーロッパにおける狩猟管理、我が国に狩猟者育成の取り組み、シカの生態と目撃情報の収集、霧降高原のシカ対策の報告などを紹介し、山岳地におけるシカ問題の緊急性をアピールするとともに、被害対策の促進をはかることを目的として、2回目を開催するものです。

 午前中に開催される野島利彰駒澤大学名誉教授による「ヨーロッパ狩猟の過去と現在」ー狩猟権から動物の尊厳までーの講演は、欧州における狩猟文化と狩猟者従事者の現状を紹介し、我が国のシカ対策を担う狩猟者の養成に大きな示唆を与えるものと考えられます。

 午後は、山岳地のシカ対策を促進するための対応を報告いただき、パネルディスカッションを行なうものです。以下に、開催要項を添付いたしますので、是非ご参加いただきたくご案内いたします。

(記録:森 孝順)

 

 

第2回山岳自然環境セミナーの開催要項
第2回山自環セミナー・開催要項20180109.pdf
PDFファイル 185.3 KB

 

                    

 

                           Update:2017.3.13

 

第1回山岳自然環境セミナーの報告

ー山の自然が崩壊するー

深刻化する二ホンジカの被害

 

 2017年3月11日(土)午後、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、山岳団体自然環境連絡会の主催、環境省の後援による、二ホンジカ被害に関する講演会が開催されました。

 環境省の専門官からシカ被害の現状と取り組み状況、登山者から見たシカの問題、シカと人間との共生、南アルプス自然保護官からシカ対策報告、ハンターからシカの捕獲について、それぞれ具体的に報告がありました。

 また、四国三嶺、南アルプスのシカ対策のパネル展示などもあり、シカ問題の普及啓発を行ないました。

 定員の150名を越える参加者が、熱心に講演とパネルディスカッションを傾聴しました。今回のセミナーは、関係する7団体がお互いに協力して一丸となり開催したものであります。山岳地におけるシカ問題が如何に危機的な状況にあるか、参加者一同が共有いたしました。

 シカ問題は調査・研究の段階から、シカ捕獲対策に緊急に取り組むべきとの指摘が講師からありました。シカの急激な増加は、人為的なものであり、日本の社会的、経済的な変化が大きく影響しており、根本的な解決には様々な障害が想定されます。

 山岳団体がシカ対策に、今後、何ができるが、真剣に考える貴重な機会となりました。

(記録:森 孝順)

 

 

 

Update:2017/2/4

 

山岳団体自然環境連絡会による「深刻化する二ホンジカの被害」

セミナーの開催(協力:環境省)

 

(タイトル)

第1回山岳自然環境セミナーー

ー山の自然が崩壊するー

深刻化するニホンジカの被害

 

(開催趣旨)

 近年、日本列島の各地で二ホンジカ(以下「シカ」と表示)の個体数が急激に増加し、その生息域が高山・亜高山帯にまで拡大し、山岳地の生態系に深刻な影響を与えています。シカの被害として、森林の衰退、希少植物の消失、土壌の浸食などが発生し、わが国の豊かな生物多様性を守るうえで、一刻も放置できない問題となっています。登山者も、山岳地帯でその状況をつぶさに見ており、山を愛する者として何らかの行動をすべきと考えております。

 本セミナーは、国立公園等の被害の現状、捕獲作業の状況、人間との共生、登山者から見た問題点などを紹介し、山岳地におけるシカ問題の緊急性を強く訴えるとともに、被害対策の促進をはかることを目的として開催いたします。

 

○日時:2017年3月11日(土) 13:00~17:00(12:30受付開始)

○場所:国立オリンピック記念青少年総合センター 102号室

○参加費(資料代) 500円

○参加予定人数:150人

○主催団体:山岳団体自然環境連絡会

                 (構成団体)

      (公社)日本山岳協会、日本勤労者山岳連盟、(公社)日本山岳会

      (NPO法人)日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト

      (公社)東京都山岳連盟、(公社)日本山岳ガイド協会、山はみんなの宝クラブ

 

 

(プログラムの概要)

13:15~14:00

 基調講演「国立公園における二ホンジカの被害と対策」

 環境省自然環境局国立公園課専門官 笹渕紘平

14:10~15:30

 パネリスト4名による、現場からの実状報告

 (登山者、林業者、環境省レンジャー、ハンターによる報告)

15:45~16:45

 パネルディスカッションと質疑応答

 

(申し込み先)

メールまたはFAXで申し込み、当日参加も歓迎

山岳団体自然環境連絡会事務局(幹事団体:日本勤労者山岳連盟)

担当者:林祥介 Email:nd52123@ca2.so-net.ne.jp  FAX:03-3421-4782

 

                                                                                                   

 

 

                                             Udate:2016/11/26

 

          講演会「シカ研究者がみた最近の日本の山」の報告

 

 2016年11月25日(金)、日本山岳会自然保護委員会主催によるシカの被害に関する講演会が、千代田区の日本山岳会の会議室で開催されました。

 長年シカの行動を研究してきた、高槻成紀氏(麻生大学いのち博物館上席学芸員、理学博士)が講師として、近年、山域で急速に増加しているシカの深刻な問題についてお話をされました。ササなどの過度の採食により、山の自然生態系のバランスが崩壊し、土壌の浸食や種の絶滅の恐れも発生している厳しい状況について、研究データに基づき分かり易く説明をしていただきました。

 ここ20年ほどで、シカが増加した原因として、農林業に従事する人口の減少により里地・里山の管理ができなくなり、シカの生息域が拡大し、一部が高山地帯にも出現するようになったようです。

 環境省によると、2014年度に全国の6割の地域で分布が確認され、1978年度に比べて分布域は2・5倍に拡大した。本州以南の個体数は13年度末で推計305万頭と言われています。このまま放置すると、10年後には生息数が倍増するといわれています。政府は2023年度までに個体数を半減する目標を掲げているが、捕獲の人手不足などで厳しい状況にあります。

 今、山岳団体の関係者がシカの被害対策で、何ができるか、真剣に議論を開始しています。

(記録:森 孝順)

 

 

 

 

 

Update:2016/11/10

 

丹沢大山の現地視察の報告

 

 2016年11月6日(日)~7日(月)、「山はみんなの宝クラブ」のメンバー7人が参加して、丹沢宮ケ瀬ダム、日向薬師、大山阿夫利神社下社などの現地視察を行ないました。

 神奈川県庁OBで、林業に詳しい会員の案内で、スギチップ使用のバイオトイレ視察、丹沢の森林施業の現状、シカの被害状況、大山登山の女人禁制の歴史などを学んできました。

 特に、自治体はシカの被害対策に積極的に取り組んでいる状況ですが、山道の至るところにシカの横断している獣道が見受けられました。また、日向山の周辺では、イノシシによる掘り返しが多く、野生動物対策の重要性をあらためて認識しました。野生動物により拡散するヤマヒルの被害を防ぐための「塩壺」が、登山道の入り口に置かれていることに地域の苦労が現れていました。

(記録:森 孝順)

 

 

 

 

Update:2016/11/9

 

国民の祝日「山の日」初年記念植樹の報告

 

 2016年10月2日(日)、最近、外国人の間で人気の富士山眺望スポットである富士吉田市新倉山浅間公園で、「山の日」の制定を記念し、約70人が参加して桜の木の植樹が行われました。天候不順の合間の好天に恵まれ、富士山の山頂を眺めながら、福島県三春町から運ばれた枝垂桜を5本植樹しました。

 主催は、主要な山岳団体で構成されている山岳団体自然環境連絡会ですが、構成メンバーであるHAT-Jが中心となり、「山の日」の普及啓発を目的に開催されました。

 前日の10月1日(土)は、自然保護の重要性を考えるリレートークショーが富士山麓で開催され、山が抱える様々な問題について活発な議論が行われました。

 祝日になった8月11日には、全国山の日協議会が主催して、第1回「山の日」記念全国大会が上高地で盛大に開催されましたが、各地の山岳関係者がみずから「山の日」を祝うイベントも開催しています。

 「山の日」は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」というのが法律の趣旨です。日本の豊かな多様性に恵まれた美しい自然を守り、自然に学び、親しみ、次の世代に引き継いでいくことが求められています。(記録:森 孝順)

 

 

 

 

Update:2016/10/26

 

「ホームページの管理者の変更について」

 

「NPO法人山のECHO」の業務終了にともない、「山はみんなの宝クラブ」が憲章の普及啓発業務を引き継ぎました。

 「山はみんなの宝クラブ」は、新たに設立されたものであり、山域で起きている保護と利用の問題について情報交換する団体です。今後とも皆様のご支援、ご協力の程よろしくお願いいたします。

 

 

Update:2014/4/17

『入山者ルール』意見交換会

 

平成25年度は、日光、八ヶ岳、中央アルプスの3つの山域で「入山者ルール」に関する意見交換会を実施しました。

 

■2月25日   日光(日光市:日光交流促進センター)

 

■3月5日 八ヶ岳(茅野市:茅野市役所会議室)

 

■3月26日 中央アルプス(駒ヶ根市:駒ヶ根総合文化センター)

 

     日光           八ヶ岳          中央アルプス

Update: 2013/12/6

 

「第1回アジア国立公園会議」で『山はみんなの宝』憲章の広報活動

(第2報)

 

「第1回アジア国立公園会議」は、自然保護地域の減災・防災、復興に果たす役割を強調し、「アジア保護地域憲章」に合意し閉会しています。これは、国を超えたアジア地域全体での官民連携強化をうたったものです。さらに憲章では、自然を生かした観光や環境教育、伝統・文化に根ざした保護地域のあり方についても盛り込まれています。

 

さて、第1報では「山の自然保護をトイレ問題から取り上げる方法への関心が高かった」ことをお伝えしました。日本のトイレ技術が非常に高いことは各国に知られていましたが、「多くの人が訪れる山において官民がどのようにパートナーシップを組んで問題に取り組んでいくか」に強い関心が寄せられていました。

 

是非このような自然地域のトイレに関する日本の取り組みを、地球全体の共通課題として取り組めるような体制を構築できればよいと思います。

 

また、今回の会議ではアジア各国からの参加者が中心となる中、仙台周辺の大学でエコツーリズムを学ぶ中南米の学生に出会う機会もありました。

Update:2013/11/27

 

「第1回アジア国立公園会議」で『山はみんなの宝』憲章の広報活動

 (第1報)

 

11月13日(水)~17日(日)、仙台市で開催された「第1回アジア国立公園会議」(主催:環境省、国際自然保護連合)のポスターセッションで『山はみんなの宝』憲章の広報活動を行いました。会議には国内外から800名の参加があり、ポスターセッションにも多くの方に足を運んでいただきました。国ではインドネシア、台湾、米国などです。

 

主な意見交換の内容は以下の通りです、

 

(1)山の自然保護をトイレ問題から取り上げる方法に関心を持った

 

(2)山はインフラが不十分で、トイレ整備やし尿処理が難しいが、大切な問題だ

 

(3)わが国(インドネシア)でも観光登山などで人気の高い山はトイレが大変だ

 

などでした。(第2報)で写真などを交えて報告します。

なお、当日掲示したポスターの縮小版(A3・カラー両面刷り)を用意しました。希望する方は、お名前、送付先(連絡先)等を記入して、メールかFAXで山はみんなの宝事務局(NPO法人山のECHO)あて、ご連絡ください。

 

Update: 2013/10/1

昨年から「熊山山頂」と「和気美しい森天神山 太鼓丸」に『山はみんなの宝』の看板を作成し、取り付けてくださっている、岡山県山岳連盟自然保護委員長 津島様にお会いました。今後も活動を続けてくださるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

Update: 2013/10/11

 

日光二荒山神社の霊峰、男体山。

 

登山受付の社務所に「山はみんなの宝」憲章が掲示されています。ここで入山料500円を支払い、お札をいただいて山頂に向かいます。           (森考順撮影) 

 

Update: 2013/6/28

 

■2013年6月27日 「山はみんなの宝」憲章が制定されました。

「『山はみんなの宝』憲章」制定発表大会 開催のご案内

 2013年6月27日(木) 東京環境工科専門学校 2階大教室(⇒変更しました)

 詳細はこちら⇒ http://www.yama-echo.org/gaiyou130627.pdf

 

 「ニュース」のボタン(ページ右のリスト上)を最上段に変更しました。

 イベントの告知等はこちらからご覧いただけます。

 

「メッセージ」のページを作りました。

 署名とともに皆さまが寄せてくださったメッセージです。

 どうぞご覧ください!

 

Update: 2012/8/22

■「山はみんなの宝」憲章のホームページを立ち上げました。

 みなさまのご賛同、ご協力をお願い申し上げます。

 

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